グラナダが気になる旅先の理由
① アルハンブラ物語に描かれた世界遺産「アルハンブラ宮殿」
1800年代のアルハンブラ宮殿の雰囲気を感じたい
② 逢坂剛初期作品「暗殺者グラナダに死す」
1970年代のグラナダの雰囲気を感じたい
ウベダ (パラドール)からグラナダ(大聖堂) 143km 1時間43分(ナビ表示)
高速道路でグラナダへ
グラナダ大聖堂、予定通りあっさりと到着しました。近くのパーキングにチェックイン。
ホテルまで歩いて向かいます
アンダルシアの青い空
アルバイシン地区に泊まる
旧市街の雰囲気が好きで、旧市街に好んで宿泊する旅行者なのでグラナダではアルバイシン地区を宿泊地としました。
アルバイシン地区サン・ニコラス広場からアルハンブラ宮殿(曇り空に逆光の時間帯)
サンニコラス教会前のサンニコラス広場(左上の方)
「アルハンブラ物語」のグラナダ
旅行記、伝説集の名作「アルハンブラ物語」は文体が上品で独特の臨場感があります。アンダルシアの歴史とアルハンブラ宮殿の盛衰をまるで音楽を聴いてるように心地良く読めます。静かな環境で集中して読むとまるで1800年代当時のアルハンブラ宮殿にいるような不思議な錯覚に陥ります。
アルハンブラ宮殿よりグラナダ市街
アルハンブラ宮殿でアルハンブラ物語を読む
「アルハンブラ物語」に登場するグラナダの門、裁きの門、コマレスの塔、大使の間、二姉妹の間、リンダラーハの庭園など。もちろん全て現在のアルハンブラ宮殿に実在します。
1830年頃のアルハンブラ宮殿の様子がいくつかの挿絵で描かれておりとても興味深いです。アルハンブラ宮殿で「アルハンブラ物語」を読んで当時に想いを馳せようと文庫本をポケットに忍ばせて向かいました。
街中の大聖堂近くのパーキングから車を出してナビを頼りに山側をぐるっと回ってアルハンブラ宮殿の駐車場にすんなりとチェックイン。並んで当日券を購入するまで順調な流れ。チケットブースから混雑が続き競うように入場すると小走りに時間指定のあるナスル朝宮殿に向かいます。少し並んでまたしても競うように入場。コマレスの塔、大使の間、二姉妹の間などお目当の空間がありましたがどこも大盛況です。
雰囲気はあるが読書する環境ではありません
どこか人気の少ないところはないものかとウロウロと散策しました。奥の方へ進んでいくと少しづつ人気がなくなってきて、ひんやりと雰囲気になってきました。「髪結いの間」とか「女王の化粧室」と言われるあたりです。。
読書スポット①ナスル朝宮殿の奥に進んだこの辺り。(日陰で風通しが良い)
続いてナスル朝宮殿を出てお隣のカルロス5世宮殿へ向かいます。
読書スポット②カルロス5世宮殿の2階部分 (静かで日陰で風通しが良い)
続いてアルマス広場の方へ
読書スポット③ アルマスの塔付近 (眺めが良くて風通しが良い)
続いてヘネラリフェ庭園の方へ
読書ポイント④ヘネラリフェ庭園のパティオ
この辺りが個人的にアルハンブラの雰囲気に浸り読書ができたポイントです。その日の天候、人の流れなどによって変わると思いますが。。
アルハンブラ宮殿に入る前に絶対にココで読みたいと思っていた場所アルハンブラ物語の著者ワシントン・アーヴィングが実際に居住した部屋は。。
思っていたより豪華な雰囲気でなくちょっと暗い感じの寂しい感じでした。観光用に再現した現代的な装飾も興醒めなので変色した壁にポツンポツンと家具の置かれた殺風景の今の感じの方がリアリティがあって良いのでしょう。読書には向きませんが。。
ワシントン・アーヴィングがアルハンブラ物語を世に出したことでアルハンブラ宮殿の存在が世に知れ、修復活動が始まったそうです。現在のアルハンブラ宮殿の活況を作ったその功績は凄ざましいものだと思います。
当時のアルハンブラ宮殿の荒廃ぶりがアルハンブラ物語に書かれていますが、伝説や伝記を織り交ぜて描写されているので豪華で壮麗なアルハンブラ宮殿をイメージしてしまいます。まさに現在目にしているアルハンブラ宮殿のイメージそのままです。
しかし実際はワシントン・アーヴィングは荒廃したアルハンブラ宮殿を目にして、画像やインナーネットがない時代に古い文献と想像力であのアルハンブラ物語を書き上げています。
どれほどの知識、教養があったのでしょうか。修復され世界中から観光客が押し寄せる今のアルハンブラ宮殿の活況を見て何を思うのでしょうか。興味が尽きません。
「暗殺者グラナダに死す」のグラナダ アルバイシン地区
小説「暗殺者グラナダに死す」で出てくる1970年代のグラナダの街、アルバイシン地区の描写は強烈です。読書後、数十年経ちますが初めて読んだ時の印象は忘れません。
いつかアルバイシン地区を訪れたいと思っていました。いま読んでもアルバイシン地区滞在の楽しさが倍増すると思います。
アルバイシン地区(アルハンブラ宮殿より)
アルバイシン地区
●旧アラブ人、ジプシー居住地なので独特の雰囲気がある
●グラナダ式バル(タパスサービス)の密集地区に近い
●昔から治安が「どうだこうだ」と言われている
●逢坂剛著「暗殺者グラナダに死す」で主人公がアルバイシン地区の怪しいペンションに泊まっていた
想像していたより随分と綺麗でモダンな感じでした。ヌエバ広場近くの登り口からグイッと中に入って行くとアラビックなカフェやレストラン、お土産物さん等がずらっと参道のように立ち並び人通りも多く賑わっています。しばらく進むと住宅街に変化していって道も二叉、三叉路、坂道、階段道と選択肢が増えていきます。
基本的に上へ北へと進んで行くと教会が見えて、その前がサンニコラス広場でした。ヌエバ広場から30分位でしょうか。迷路のような石畳の道に白壁の街並みとさすがに雰囲気ですが、そこはやはり21世紀の現代、タイムスリップのような感覚は味わえなっかたです。
深夜0時過ぎに外に出てみました。路地は街灯に照らされた石畳にあやしい雰囲気がでてきます。ホテルを出て昼間に歩いた路地を早歩きに散歩します。とてもいい感じです。
奥へ上へとどんどん進んで行きます。人通りは今のところありません。静かです。サンニコラス広場にはアルハンブラの夜景をみる人達がいるでしょうから手前で方向転換をして昼間に通らなかった路地にチャレンジします。
なるべく細い道を選んで奥へ奥へと進みます。ダロ川方向へ下る路地の先は視界が開けてライトアップされたアルハンブラ宮殿がボヤ〜っと浮かび上がっています。幾つか目のダロ川方向への細い路地に入り下って行きます。駆け足で降りるとあっという間にダロ川添いに出ました。そのまま右手に進んで行くとヌエバ広場です。そこまで行くとこの時間でもまだ賑やかな感じなので、また細い路地に戻って今の雰囲気のままホテルに戻ります。
時計を見ると0時20分過ぎ。ぜんぜん時間が経っていません。体感では1時間位だと感じていました。テンション高めの興奮状態だったのでしょうがほとんど早歩きでしたが息も上がっておらず疲労感もありません。
20分間のタイムスリップをしたのだと自分にいいきかせました。たった20分の散歩でしたが想像力を全開にして小説に描かれた1970年代の「深夜のアルバイシン地区」おおいに満足しました。
世界ふれあい街歩きのグラナダ バル巡り「ビールに赤ワインに辛口シェリー」
「世界ふれあい街歩き」のような紀行TV番組を見ました。ビールやワイン、シェリーなどをオーダーするとタパスがサービスでついてくるグラナダのバルです。
「セルベッサ ポルファボール」はスペインに来て一番よく使うスペイン語です。ちなみに2番目は「ビーノティント ポルファボール」3番目は「フィノ ポルファボール」。
グラナダ滞在中の4泊5日でこの言葉を本当によく使いました。お昼から営業しているお店も多いのでランチにセルベッサ。テータイムにビーノ。カナッペタイムにフィノ。みたいな感じでほぼ1日中バルで楽しめます。(お昼2時頃から夜8時頃まで閉まってるバルもあります)
タパスの種類はだいたい同じ感じですがお店によって風味や盛り付けが違っており飽きずに楽しめました。無数にあるとは少し大袈裟ですがそれでも数多くのバルがグラナダにあるようです。とても4泊5日でまわれるものではありません。有名店をはじめ、通りがかりの混雑しているお店、思い切って入ったガラガラのお店。
いくつかのバルを訪れましたがどれもグラナダのバルに対する妄想期待値が高いのか、ザ・ベスト!と言えるバルには出会えませんでした。タパスはもちろんスタッフや客層、居心地などを含めて我々にとってベストのバルに出会えるために次回は1年位じっくり滞在してとことんバル巡りをしたいと思いました。
「セバスチャン」と「セバちゃん」
ナバス通りあたりのシーフードレストランで隣り合った白人の家族。30代位の上品な感じのご夫婦と5歳位の男の子の3人家族。この男の子、我々アジア人が珍しいのでしょうかこちら見てニコニコしてきます。お母さんの方を見るとニッコリ微笑んで見守っている感じです。
するとその男の子が可愛い声で「 セバチャン 」と言いました。スペイン人の名前だと思ったので「 セバスチャン? 」と聞き返すと、
男の子は「 セバチャンデス 」と言いました。
我々が「 セバチャンデス? 」と聞き返すと
男の子「 ワタシノナマエ セバチャンデス 」
????? 日本語????
困惑してお母さんの方を見ると「こんにちは、日本の方ですか?」と流暢な日本語。
旦那さんがスペイン系アメリカ人で現在アメリカ在住のアメリカ人ご家族。旦那さんのルーツを訪ねる旅でスペイン旅行中。旦那さんの仕事の関係で日本に家族で少し前まで3年ほど住んでいた。との事を全て綺麗で上品な日本語で話してくれました。
男の子の名前は「セバスチャン」
日本在住の時にみんなから「セバちゃん」と呼ばれていたそうです。
男の子は久しぶりに日本人を見て自らを日本風に自己紹介をしたのです。
(セバちゃん、スゴ過ぎるでしょう)
セバちゃんのおかげでグラナダの街が世界ふれあい街歩き風になりました
アリガト!
セバちゃん、またどこかで会いましょう!
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次回は長期滞在を希望します!!
こちらからは以上です!
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